寝台列車はエキサイティング

わずか一畳分のスペース

学生時代に、東北地方から、日本海側を通って関西地方へと旅行した時のことです。できるだけお金と時間を節約したいと思いましたから、寝台列車の利用を思いつきました。

初めて乗車しましたが、カーテン一枚で仕切られた空間はわずか一畳分。ハシゴを使って上り下りすることすら新鮮で、わくわくしながら一畳分のスペースを陣取りました。

眠ってしまったならば、すぐに関西へ到着します。けれど、非日常的な空間に興奮して、なかなか寝つくことができません。薄暗い車内のあちこちからはイビキの音が聞こえます。その合間に、カタンコトンと規則正しいレール音。耳を澄ませているうちに、いつしか眠りの底へと引きずり込まれました。

まるで海のようにダイナミックな光景

きゃあきゃあと、賑やかな声で目が覚めました。同じ車内には、修学旅行生が乗っていたのです。そっとカーテンを開けて様子を見たら、女子高生達が興奮した面持ちで窓の外を眺めていました。

車窓に広がっていたのは水平線。女子高生達が口々に言っています。「これ、何?」「海でしょ?」「太平洋、それとも日本海?」付き添いらしい女の先生は、困ったように首を傾げていましたが、「日本海じゃないかな」と自信無さそうに言いました。

残念ながらハズレです。だって、これは琵琶湖ですから。北海道からはるばる関西を目指してきた女子高生と先生は、勘違いしてしまったのです。大学を出たばかりのような若い先生でした。恐らく、社会の担当ではありません。

夏になったら吉野行きのタビマスターズを見つけて旅行へ出かけよう。